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私が、私であれること

  • akato57
  • 5 時間前
  • 読了時間: 4分

〜母との時間と、MLDとアロマが繋いでくれるもの〜


2年前、母がくも膜下出血で突然倒れました。

気がついた時、母は私の腕の中にいました。


一度、三途の川を渡りかけた母。

必死に名前を呼び、身体を揺らしたその瞬間、母はもう一度、この世界へ戻ってきてくれたのです。

手術は「どうなるかわからない」と言われるほど厳しい状況でしたが、奇跡的に成功しました。


その後、母は懸命にリハビリを続けましたが、現在は施設で暮らしています。

もう言葉で会話をすることはできません。

それでも私は、不思議なくらい母と会話ができています。

まるで、テレパシーのように。


時折、雲の隙間から光が差し込むように、母の意識がはっきりする瞬間があります。

そんな時、母はじっと私を見つめながら、私の顔に触れたりしてくれます。


その温もりに触れるたび、

「ああ、ちゃんとここにいる」そう感じるのです。

今日は、そんな母との週末の時間、そして「私が、私であれること」の意味について綴りたいと思います。


南国の植物は大きい
沖縄、今帰仁 南国の花は力強い!


母との時間の過ごし方


私は毎週末、母に会いに行きます。

面会時間は30分ほど。

短い時間ですが、その中で、愛情を込めた施術をしています。


そのたびに心から思うのです。

「本当に、セラピストで良かった」


母に、してあげられることがある。

それが、どれほど私自身を支えてくれているか分かりません。

本当に感謝しています。



香りから始まる時間


まず最初に、アロマシールに精油を垂らし、母の服にそっと貼ります。

ふわりと香りが広がると、その空間の空気が変わります。

母だけではなく、周囲にいる方々まで、どこか穏やかな表情になるのです。

香りには、言葉を超えて届く力がある。

私はいつも、それを感じています。



お顔のケアとマッサージ


まずは母のお顔に、たっぷり化粧水とクリームを塗ります。

やさしく触れながら、軽くマッサージをしていくと、母の表情がだんだん緩んでいくのが分かります。

まるで、心までほぐれていくように。

「触れる」ということには、想像以上の力があります。

言葉がなくても、安心や愛情はちゃんと伝わるのだと思います。



手と足のアロマトリートメント


次に、手と足のアロマトリートメントを行います。

使う精油は、その日の母の様子を見ながら選びます。


私の師匠の言葉に、

「香りで開く、タッチでほどく」という言葉があります。


本当に、その通りだなと思います。

香りで心がゆるみ、触れることで身体がほどけていく。

母だけでなく、施設にいる他の方々まで香りに引き寄せられ、嬉しそうな表情を見せてくださいます。

その光景を見るたびに、

ケアは、人と人を優しく繋ぐものなんだなと思うのです。



母が大好きな、首のMLD


最後に行うのが、首のMLD(マニュアル・リンパドレナージ)です。

これは母が元気だった頃から、ずっと大好きだった施術。


羽根のようにやさしいタッチで首に触れ、独特なリズムでリンパを流していきます。

すると、触れた瞬間から母の表情が変わるのです。


アロマトリートメントも気持ち良さそうだけれど、

母はやっぱりMLDが一番好きなんだな、と感じます。

身体が覚えているのでしょうね。



屋根の上のブーゲンビリア
ベトナム ホイアン ブーゲンビリアが可愛い


忘れられない瞬間


先週、とても嬉しい出来事がありました。

施術を終え、「じゃあ帰るね。また来るね」

そう声をかけた時でした。


母が手を上げて、ずっと手を振ってくれたのです。

倒れてから、そんなことは初めてでした。


今までも少し手を持ち上げることはありましたが、

あんなにはっきり、長く、意思を持って手を振ってくれたのは初めてでした。

エレベーターの扉が閉まるまで、ずっと。

私は嬉しくて、胸がいっぱいになりました。



施術は、心を繋ぐもの


施術は、単なる身体のケアではありません。

私にとっては、母とのコミュニケーションです。

触れることで、母の心に届く。

そして母の想いも、私に伝わってくる。

香りややさしいタッチは、閉じてしまった心の扉を、そっと開いてくれるのかもしれません。



「私が、私であれること」


母が倒れてから、私たちの関係は大きく変わりました。

以前のように会話をすることはできません。

それでも、触れ合うことで、確かに繋がっていると感じられます。


介護や看護は、時に孤独です。

心が折れそうになることもあります。


でも、こういう瞬間があるから、また前を向ける。

私は、MLDとアロマに何度も支えられてきました。


母のためにしているようで、実は私自身が救われているのです。

母との時間が、あとどれくらいあるのかは分かりません。

だからこそ、一瞬一瞬を大切にしたい。


触れられること。香りを感じられること。手を握れること。

そのすべてが、愛おしいのです。

セラピストで、本当に良かった。

これからも、愛情を込めたケアを続けていきたいと思います。

 
 
 

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